タイ地域医療保健研修
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下痢性疾患が世界に与えるインパクト

The Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2015 (GBD 2015) という研究グループが25年における世界全体の下痢の症例、死亡数、また原因疾患について解析を行った。2015年において、下痢は全ての年代において最も多い死亡原因であると推測した。さらに小児に対するインパクトが多いため、DALYsに与える影響も最も多い。下痢性疾患は5歳以下の小児の一般的な死亡原因である。2005年と2015年を比較すると下痢性疾患による死亡数は20.8%減少している。下痢の死亡原因で最も多いのはロタウイルスで、赤痢、サルモネラが続く。5歳未満の小児において下痢性疾患の死亡原因で多いのは、ロタウイルス、クリプトスポリジウム、赤痢である。安全な水、衛生状態の改善はDALYsを13.4%改善する。

Lancet Infect Dis. 2017 Sep;17(9):909-948.

##下痢性疾患は日本とイメージが違い、途上国では死に至る脅威となります。ロタウイルスは予想していましたが、赤痢、クリプトスポリジウムが未だ下痢の死亡原因として高い頻度を示していることに驚きました。

ベトナムにおける無症候性マラリアの
特徴 高感度PCRを用いた研究

ハマダラカ

マラリア感染症の1部は無症候性で、その際血液中のマラリア原虫の量は非常に少なく通常の検査では検出できないとされる。無症候性マラリア感染症はマラリア原虫の伝播において重要な役割を果たしていると考えられる。この度ベトナムにおいて2年間、高感度PCRを用いて、血中におけるマラリア原虫の量を調査した研究が発表された。2013年~2016年において、ベトナムの4つの村においてベースラインおよび3ヵ月ずつマラリア原虫の調査を行った。高感度PCR(22虫体/mlまで検出可能)を使用し、4248例の検体を解析し、熱帯熱マラリア(P. falciparum Pf)および3日熱マラリア(P. vivax Pv)の感染持続および感染の重症度を評価した。36%はPf単独感染で、27%はPv単独感染であった。25%は共感染であった。Pf感染の平均期間は2か月で、20%は4カ月以上感染していた。Pvの平均感染期間は6か月で59%は4か月以上感染していた。感染持続期間においてマラリアの寄生虫量は変動していた。感染率が非常に低い後に高い感染率をきたす傾向が高頻度に見られた。
写真出典:Centers for Disease Control and Prevention

Lancet Infect Dis. 2018 May; 18(5): 565–572.

##近年 高感度のPCRによる診断技術の向上とともに、マラリアの体内での病態生理がより明らかになり、その結果寄生虫量が少ない無症候性マラリアの重要性が特に感染伝播の上で議論になっています。

タイ地域医療保健研修
【海外研修情報】タイ地域医療保健研修
研修予定時期:2018年12月3日(月)~12月14日(金)
対象:医師2名(心身ともに健康な方)
応募要項他詳細は、下記サイトよりご確認ください。
http://npo-gms.org/program/form.html
GMS会員】eラーニング
マヒドン大学熱帯医学短期研修の講義を中心に、熱帯医学、渡航医学、感染症に関する動画や、マラリアや消化管寄生虫クイズなど、わかりやすい教材で効率的に学習できます!以下、eラーニングの一部です。
※GMSeラーニングは、会員限定のコンテンツです。

1)2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修講義
 ①Overview of Major Intestinal Protozoa infection
  Prof. Yaowalark
 ②渡航医学講義 Dr. Wacharapong
 ③Case discussion Melioidosis
  Dr. Wirongrong and Dr. Hadano.......他
2)消化管寄生虫を用いた地域診断
3)渡航前のワクチン接種東南アジア編...他

サンプル映像は、2017年マヒドン大学熱帯医学短期研修
「消化管寄生虫症概論」Prof.Yaowalarkです。

GMSe-ラーニングでは、マラリアや消化管寄生虫など、顕微鏡での特徴をクイズ形式で解説いたします。典型例を分かりやすく原虫別に出題していきます。これらの画像は、「マヒドン大学熱帯医学部出版(英語)の寄生虫アトラス」から抜粋したものと、実際の顕微鏡の画像を混在して入れています。実臨床では教科書画像のように分かりやすい画像とは限らないので、注意が必要です。
※GMS会員登録で、マヒドン大学熱帯医学部出版(英語)の寄生虫アトラス(Atlas of Medical Parasitology)が500円引になります。

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特定非営利活動法人グローカルメディカルサポート(NPO法人GMS)
地域医療の携わる新しい医療従事者のロールモデルを作ると共に、日本国内の地域医療を担う医療従事者の確保と、地域医療・へき地医療の質の向上に取り組んでいます。
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マヒドン大学
熱帯医学短期研修
マヒドン大学は熱帯医学領域ではアジアのリーダーとして教育に力を入れています。マヒドン大学熱帯医学短期研修は、講義、ワークショップは大学の第一線の臨床医、研究者が担当し、実際のベッドサイドラウンド、顕微鏡を使った消化管寄生虫、マラリア診断など実践的な研修です。
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とちノきネットワーク
途上国および日本の地域医療、保健、研究に携わる医療従事者を支援するネットワークです。人が集まり、繋がり、情報交換をすることで、若い医療従事者の教育、キャリアを支援します。ホームページでは主に、海外、日本の地域でのセミナー、就職、留学情報を多く提供しています。
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ATLAS OF MEDICAL PARASITOLOGY
医療分野や医療分野の専門家は、世界の重要な寄生虫をカバーしています。原生動物、線虫、爬虫類、爬虫類、節足動物、節足動物の各データベースには、形態学、生活環、地理的分布、症状、予防などの情報が含まれています。
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